百寺納経

第十二箇寺 根来寺|般若理趣経

新義真言宗総本山一乗山大伝法院根来寺(和歌山・岩出市)

平安末期、覚鑁が当地に神宮寺を、また高野山に大伝法院密厳院を建て開山。真言宗三大学山の一、新義真言宗の根本道場として、室町末期には屈指の大寺となるが、争乱が絶えず、根来鉄砲衆万余を擁した。天正13年(1585)、秀吉の攻撃で、大師堂、大塔等を残し(現在国宝)、焼失。その他は徳川幕府の援助で復興した。

【書人寸言】私が25歳の時、当時、新義真言宗根来寺管長であられた関尚道猊下と、父泰雲が懇意の仲でした。そのご縁で、本山で仏道の経験をさせて頂くことになり、その短い経験の中で、この理趣経を書く貴重な体験をさせて頂きました。 25歳では、余りにも長文過ぎ、難しすぎたという苦い思い出があります。今ではそのお蔭で長文にも慣れましたが、まだまだ心境は当時そのままかもしれません。修行不足は否めません。しかし、今、経文を書く歓びを得られたのは、根来に行き、理趣経との出会いがあったからではないでしょうか。