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様式美(泰斗 平成十五年三月より)

様式美とは何か・・・。当然、読んで字の如しであろう。総ての芸術には様式美がある。これは芸術の中の法則といっても良いだろう。又、転じて精神美にも繋がるであろう。とても大切なことであり、現代では失われつつもある。

では「書」における様式美とは何か。当然、結構(字の形)・規範が問われる。それが理解されなければ本道に入れぬ。泰書會では多くの方々がそれに悩まされている・・・様式美に。美しい「書」を求めれば求めるほど、その様式美の純度が高くなる。また、そうでなければいけない。純度が高ければ高いほど、精神が研ぎすまされてくる。「書」は精神そのものである。

そんな事を述べてしまえば、皆が散ってしまうかもしれない。それほど気宇高邁なものがある。それが美しいのである。様式美を忘れた書、芸術は「佛作って魂いれず」である。その魂から精神美が生まれ、その精神美を求めるには様式が必要となってくる。

人間の心の奥底には、どんな形にせよ必ず美を求めている心がある。また求めなくてはいけない。その美とは、人間道に通ずるものがある。外見の美しいものは滅びる。内面の美しいものは研ぎすまされてくる。だからこそ生き方にも様式が欲しい。

様式美はルールである。そのルールを身につけなければ前に進まぬ。甘いルールには美が遠のいてしまう。様式美の追求こそが、人間道の真でもある。私は、それを「書」によって得られればと思う。総ての芸術から感化されれば極致でもある。

様式美(泰斗 平成十五年三月より)

10月1日

毎月の巻頭言は、日頃から考えていないと中々思うようにいきません。今回の緊急事態の様な時には思いがけない考えが浮かんできます。人間は、その都度、悩み、思い、歓喜するものであります。今回は決して歓喜ではありませんが・・・。辛い(例え時間がかかっても)後はきっと・・・。

さて、「書」について三つの要素とは・・・。

第一に、自分の中に無限の豊かさがある事です。「書」は確かに人様のものを見て、それを参考にして書き上げていくものです。ただ自身の中に無限の力があるので、余り他者に拘り過ぎてもいけません。豊かなものは自分の中にあり、それを探す事かも知れません。そこに「書」の面白さがあります。

第二に、高みに向かって努力する事は決して厭わない事です。現在、無駄なことをしている様でも、それは実は高みに向かっている過程でもあります。今は程遠いと感じていても明日には一歩前に進んでいる事は間違いありません。それが「書」でもあります。

第三に、精神がより高くなっていけば、その精神が健康であればあるほど自身の人生の格が上がるという事です。自身の心の中の繊細さを見つけ、若しくは見分けられれば、それが本当の「書」ともなります。

以上、述べましたこと、実はある本がヒントでした。うなずけるものが沢山あり、「書」に全く関係の無い内容でしたが、実は人間の行為というのはさほど変わらないということです。人間は所詮人間の範疇でしか動けないから、例え、分野が違っていいても実は同じような事柄が多いのではないでしょうか。

人間の心は無限の様です。自分の中にその無限さがあるという事を、その本で気づかされました。

令和二年十月