百寺納経
第十三箇寺 永平寺|證道歌
曹洞宗大本山永平寺(福井・永平寺町)
寛元元年(1243)、道元は旧仏教側の迫害を避けるため、信徒波多野義重氏の請いにより、その領地・越前国志比庄に向かい、吉峰寺に入った。翌年、より里に近い所に一寺を建立。寛元4年(1246)に吉祥山永平寺と改称した。南北朝・室町期には再三兵火で焼失した。現存の諸堂は総て近世以降のものである。
【書人寸言】道歌は中国禅初期に永嘉玄覚によって著された本格的な著述であります。 この経では、大乗の真義は言語文字を離れ、あらゆる相対を越えた絶対唯一、無一物の立場によって得られることが強調されています。それが巧みな詩の形式によって、雄大壮麗、流暢闊達な筆致で述べられております。 曹洞宗に於いて、「宝鏡三昧」と同様に、日常読誦されてきましたが、近年読誦頻度が減少したと聞き及んでいます。