百寺納経

第十六箇寺 池上本門寺| 妙法蓮華経如来壽量品第十六

日蓮宗大本山池上本門寺(東京・大田区)

日蓮が9年間住み慣れた身延山に別れを告げ、弘安5年(1282)、病気療養のため常陸の湯に向かい、その途次、ここの郷主館で入滅した。その後、大檀越の池上氏が、法華経の字数にあわせ、約7万坪の寺域を寄進し、寺院の基礎が築かれたので、以来、池上本門寺と呼び慣わすようになった。

【書人寸言】今回の写経は、私にとって初めての体験を致しました。それは、本来、作品は何組も書くのが当然なのですが、善し悪しは別にして、今回は最初の一組が奉納作品となりました。これには色々な経緯があり、この誌面では説明しきれないのですが、簡単に述べますと、二組目、三組目と書くにつれ、脱字誤字が多くなり、結局最初の一組にそれが全く無く、気脈も通り一気に書くことができた結果であります。今考えれば第一作に充実感がかなりあった様です。 「書」を書く心の構えは常に不安がつきまとうものです。心技体が揃うということは大変難しいものと思いました。