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2022年6月10日 10:00

可能性

「可能性」

芸事でも、スポーツでも練習はウソをつかない。但し、必ずしも練習をすればうまくなるとは限らない。練習のコツを摑むのも
大事であろう。世の中、基本が存在する限り、それを踏まえ練習、本番に臨まなくてはいけない。基本を外すことは出来ない。存
在する以上・・・。上手くなる為のコツは人によって違う。少なくとも「書」を書く人に下手はいない( ただ乱暴に書くのはいけない。奇を衒う事もいけない。それは下手な「書」である)。本人が真剣に書けば、それは個性である。だからこそ下手であっても基本を練習するべきである。器用にこなす人は、それに甘んずる事無く、もっと徹底的に練習するのがよい。自分がこれだと思うきっかけがあったならばそれをも徹底的に書くのもよい。その結果、時間をかけてそれを積み重ね上手くなると信ずるべきであろう。そこに真の上手さが出てくる。己を信ずる事も大切である。

愚痴は「書」の上では禁句である。それは、ただそこから逃げたいだけで、そんな言い訳は通じない。「書」に壁、スランプはない。心の弱さが言い訳として出てしまう。反対に「書」には可能性も沢山ある。「書」には色々な書体・書風があるから。最後にはそこに行きつけば良いのである。

時代錯誤かもしれない戯言である。ただ、自身は信念を持って「書」に臨んでいる。挑戦もしたい。若い時は体力があり、無闇
矢鱈書いていただけ。今は歳の重みを感じながら書かなくてはいけない。

今、会員で泰書展の作品を制作されている方々にエールを送りたい。その泰書展は会員諸氏にとっては一年の集大成でありたい。
そこには新しい自分も発見出来る。

(機関紙泰斗 令和4年6月号 巻頭言より)