本日の書

2016年10月20日 12:00

巖邃(がんすい)

巖邃(がんすい)

 

巖は高い巌(いわお)。

邃は奥深い。

巖邃は険しい山に奥深い洞窟がある。転じて険しく深いと意味される。この言葉は楷書に適しているだろう。線質の奥深さと、崇高な楷書を求めているつもり。。しかしまだ五合目くらいか。

「書」は厳しくなればなる程、良いものが書けると信じている。徹底的に悩むべきであろう。これで良しと思ったら駄目になり、所詮、小さな山にすぎない。

老泰

2016年10月7日 19:37

柳宗元詩・早梅

柳宗元詩・早梅

 

早咲きの梅が高い枝に花開き、楚の青い空に照り映えている。北風が夜の梅の香り漂わせ、たくさんの霜が明け方の白い花びらをうるおす。万里の彼方へ送ろうと思っても、あまりに遠く山水が隔てている。寒中に咲く花はそぞろに散り落ちていく。どうやって遠来の客(作者)を慰めてくれるのか。

 

柳宗元(りゅうそうげん)

自然詩人として名を馳せた。散文の分野では、韓愈(かんゆ)とともに宋代に連なる古文復興運動を実践し、唐宋八大家の一人に数えられる。

 

作品題材からすれば季節はずれかもしれな。ただ、この書風は穏やかに書けたもので掲載した。この書風は、二代・泰麓の書風を若干取り入れ、楷法は先代・泰雲のものを受け継いだ筈……。

老泰