本日の書
2016年10月7日 19:37

早咲きの梅が高い枝に花開き、楚の青い空に照り映えている。北風が夜の梅の香り漂わせ、たくさんの霜が明け方の白い花びらをうるおす。万里の彼方へ送ろうと思っても、あまりに遠く山水が隔てている。寒中に咲く花はそぞろに散り落ちていく。どうやって遠来の客(作者)を慰めてくれるのか。
柳宗元(りゅうそうげん)
自然詩人として名を馳せた。散文の分野では、韓愈(かんゆ)とともに宋代に連なる古文復興運動を実践し、唐宋八大家の一人に数えられる。
作品題材からすれば季節はずれかもしれな。ただ、この書風は穏やかに書けたもので掲載した。この書風は、二代・泰麓の書風を若干取り入れ、楷法は先代・泰雲のものを受け継いだ筈……。
老泰
2016年9月27日 13:20

縦30㎝×横80㎝
「書」を書く時、何を考え、何を思って書くか。
この二文字はそれ以上の事を思わせるかもしれない。
「神佛」は、自分ではかなりの緊張感をもって書いている。
その緊張感こそ「書」の根源である。
文字を愛(め)で、神佛に対し一字礼拝の如く。
老泰
2016年9月20日 5:00

韓退之(かんたいし)・符読書城南(ふ しょを じょうなんによむ)
中国唐代の文人である韓退之が息子・符に対し「学問で一番大切なのは読書である。今、燈火親しむ秋であるから読書しなさい。秋は読書に一番適している季節である」ということを表現した。この言葉が「読書の秋」の由来である。この「書」は先代・泰雲が四十代に書いたものとされている。それを模倣してみたが、先代の「書」に対する思いを、多少感じる事が出来た。
老泰
2016年9月15日 5:00

水清くして魚棲まずと言う格言がある。
人間どんな状態であれ、しっかりしたものでなければならぬ。
「書」もしかり。環境に左右されるような「書」はあまり良くない。
どんなに辛くても、混沌たる中でも、書き貫く精神が欲しい。
何故か、この語句を書くと、そんな思いがいつもするする。
老泰
2016年9月10日 5:00

「奔馬」を思い出し…
私の造語である。
三島由紀夫の四部作…ボブ・シーガーの「奔馬の如く」などなど。
そんな発想で「書」を書くのもよい。
思いつきや発想で書くのは、日頃の鍛錬からなせる技が理想。
ただの思いつき、発想はつまらぬ…。
老泰