本日の書
2025年8月22日 15:13

百寺納経制作が平成六年から、爾来、私の知らない多くの経文に出会えた。そしてそれより遥か昔に、先代・泰雲が「巍峻巖邃」という作品を幾度となく書いていた。
意味としては、「険しい、気高い、崇高」等々の意味があり、「山偏」のつく字にはそれが多い。「山偏」のつく字は、不思議に形が良くなる。書いていて楽しくもなる。そして冒頭に、経文の話をしたが、驚いた事にその法華経という経文に「巍巍」という文字が出て来た。始めに、自分の無知さを感じ、しかし、どこか親密感さえ感じた。字に親密とは不思議だが、それを感じる人も多かろう。
それから、頻繁に「巍」を中心とした「山偏」の字を多く書いている。「経文」、「先代の楷書」と、どこか佛縁を感じながらの「巍」である。
2024年10月25日 10:00

「繼」を書く時、妙に「繋」と言う言葉が思い出された。意味としては違うが、これも伝統的なものにとっては重要な語句であろう。人と人を繋ぐ、結び続けて繋げてゆく。伝統を守る為の手段でもある。泰書展が正にそれである。大勢の方が、繋ぎ、継承している。人と人には「縁」も大切な言葉でもある。
2024年10月15日 10:00

最近、継承と言う言葉をよく耳にする。日本には歴史のある老舗、何百年も続いている会社などがある。世界に類のない国である。然し、最近、それが失われつつある。とても残念である。我が家は二百年も続いている書家の家系である。四代目がもっと確りしていれば続くであろうが、芸術の継承は至難の技である。ただ、自分としては努力し続ける覚悟ではある。どんな形でも「継承」を大切にすべきであろう。