News
名人の書画 書画の名人
名人の書画 書画の名人
最近、あるオークションを見学させて貰った。会場には千人以上の来場者がいた。演出は当然、ハデな催し物であった。正月に近かったので、その雰囲気そのものの賑やかさであった。今回のオークションは書画のみで、特別な催しとも聞いた。点数は三十点と意外にも少ない出品であった。
このオークションは、売り上げ全額を慈善団体に寄付するとの事である。これは、世界的に見ても、現代の状況を見れば納得もする。世界中に、天災・人災に遭われた方々が大勢おられる。
今回は、書画専門の富裕層の集まりであり、凡そ、三時間で三十点近い作品が瞬く間に落札され、計一億二千万に達した。これには驚いた。確かに、有名な作家、質の良い作品なのかもしれないが、一点が何百万円もする。見ず知らずの作品(私が知らない作家・・・それは無知なのかもしれないが・・・)が高値で平気で落札される。最近、どこかの国のアーティストがバナナをガムテープで貼ってあるだけの作品で一億という値がつき、それを落札した人がいたと聞いた。考えられない。書画の様な、それも歴史背景が確りした作品、骨董であれば解らない訳でもない。現代の芸術作品、アートの世界は狂気の沙汰である。
ある方が書画を学んでおり、その師匠の作品が「一億円もします」と自慢げに話していたのは滑稽にすら感じた。芸術の価値観は完全に崩れてしまった。これは世界的な現象である。
ある友人が、「名人の書画か、書画の名人か」と語ったのが印象的であった。何が本物なのか解らなくなってきた。
(機関誌 泰斗令和七年三月号 巻頭言より)

Youtubeチャンネル「書人柳田泰山」その75
今回は~【コメント返信&反省会】2023泰書展を振り返って~です。
よろしければ御視聴・チャンネル登録よろしくお願い致します。
Youtubeチャンネル「書人柳田泰山」その74
今回は~【関東第一高等学校100周年記念行事】柳田泰山、学校にて100人書きに挑戦!!~です。
よろしければ御視聴・チャンネル登録よろしくお願い致します。
Youtubeチャンネル「書人柳田泰山」その73
今回は~【第二十九回】楷書が一堂に会する泰書展を歩きながら紹介します。~です。
よろしければ御視聴・チャンネル登録よろしくお願い致します。
活動
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2018年3月
- 2016年9月
- 2016年7月
2023年11月
11月10日
ビバルディの四季
地球温暖化のため、世界各地で天候異変が続いております。当然、作物等にも被害が出て、大変な状況が続いております。最近、日本は二季になりつつあると言われております。夏と冬になるのだろうか。自然の変化が異様に感じられます。そして、それは人災が原因であると周知されてます。「四季折々」の言葉は過去の話になってまいります。この原稿を進めている中、「ビバルディの四季」が思い出されました。四季が無くなる・・・。因果関係の無い戯言であります。
「書」との因果関係も無いかも知れません。然し、「書」は自然の中の物を使って用具として使用しております。神は木と水から、墨は木を燃やし煤と膠、筆は動物の毛、硯は自然の石から出来ております。自然の変化は「書」にも影響しかねないものではないでしょうか。
四君子という言葉があります。「蘭菊梅竹」を草木の中の君子として称えた言葉です。季節感があったからこそ、この様な言葉が生まれてきます。
人間も、自然界から生まれたはず。そしてそれを自らの手で壊していく、不思議な生き物であります。「書」を駄目にしたのは書家であるとも言われております。どの分野でも同じ事が言えるでしょう。もちろん未来が暗い訳ではありません。新しく美しい世界が生まれてくる筈と信じております。ただ未来は私には見る事が出来ません。だからこそ、老婆心の戯れ言として述べているだけです。
本部教室でビバルディ「四季」を聴きながらの巻頭言となりました。
(機関誌 泰斗令和五年十一月号 巻頭言より)