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今回は~【三千字の大作】10日間、中国の屯蒙学舎(伝統文化書院)で三千字の大作を書いてきました!!~です。
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今回は~【書やプライベートの話】今日は書かない書人になります。~です。
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今回は~【★わかりやすく解説★】 半折課題を説明しながら楷書の基礎を教えます!!~です。
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「書」は時間を巻き戻さねばならない芸術
「書」は時間を巻き戻さねばならない芸術
いま私は、唐招提寺、石山寺、そして中国の寺院の経文などを日々書き続けている。とはいえ、まる一日を「書」のために費やせるわけではない。本来ならば、自分の「書」にもっと集中すべきなのだが、現実はそうもいかない。
さて、「書は時間を巻き戻さねばならない芸術」、ずいぶん大袈裟な題であるが、今朝、まさにその言葉を思い知る出来事があった。それは、一枚が約九百字からなる二枚の作品。その二枚目の七百字あたりで誤字をしてしまったのだ。一瞬、頭の中が真っ白になった。「これが現実か・・・」と思わず、諦めかけた。しかし、ここが勝負の分かれ道。失った時間-およそ三日分-を取り戻さねばならない。どこかで時を巻き戻したく、再び筆を取る決心をした。
長文の「書」において、字形の乱れはやむを得ないとしても、誤字は決して許されない。脱字については、泰書會の会員が泰書展に出品する作品であれば何百字という長文の中で一文字二文字が抜ける程度は致し方ない。だが、経文となれば話は別だ。誤字も脱字も、絶対にあってはならない。何千字にも及ぶ経文であっても、当然それは許されない。
三尺・六尺の和紙に千字以上を収める。そこに問われるのは、いかに誤字を避けるかであり、いかに「上手く」書くかではない。上手さは、経験と失敗の積み重ねの中から生まれるもの。今回の「頭の中が真っ白になる・・・」ような体験も、また貴重な糧となるだろう。
小楷(小さな文字の楷書)の難しさがここにある。これは私一人の苦しみではない。今、泰書展に向けて長文に取り組んでいる会員諸氏もまた、同じ想いを抱いているに違いない。同じ「書」に向き合い、同じ悩みを抱えながら、筆を進めているのだ。
さぁ~今夜は、三日分の時間を取り戻すための製作に励もう。
(機関誌 泰斗令和七年六月号 巻頭言より)

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5月10日
書展の意義
泰書會事務局では着々と準備が進められている第三十回泰書展。いまから緊張感を高めても仕方がないが、私自身は、一人独走状態である。事務局は、先ず今日する事と明日の準備で精一杯。然しながら私自身は、スタッフを信頼しているから、そこは安心。然しである・・・この三十回を迎えるに当たり、何をすべきかが浮き彫りになっているのも事実。それ以前の話として「展覧会の意義」が問われる。それよりももっと以前の問題として「書」を学ぶと言う事は、一体何をする事なのであろう。
最近では、「書」の本質が見えなくなっている。これだけ、お習字から始まり、会場パフォーマンス(マスメディアの扱い方も含め)まで、幅広くなってしまったのが原因であろう。誰かに昭和の時代は、「書」の学問上の諍いが多くあり、そこから新たなる挑戦が始まり、思想を含めた「書」の追求があったような気がする。今はそれもなく、自己保身だけである。そう言う私もそうではあるが。
また、今の書道界は以前とは全く違い、新聞社主導の書道展、パフォーマンス的要素の「書」だけが際立っている。それもおかしなものと思う。前者の新聞社云々は、組織的に日展へと繋がる。数の論理から成り立っているのも事実である。まるで、そこに参加していなければ書道の道が開けないと錯覚している。後者は利益追求型であり、お祭り騒ぎで言わば、「書」が犠牲になっている。
「書を学ぶ」「書道展の意義」の答えは、今回の泰書展で指針が新たになるであろう事を祈り、ベストを尽くし、本当の「書」を追求した第三十回泰書展としたい。
今日も独りよがりの独走の日々を過ごしている。
(機関誌 泰斗令和六年五月号 巻頭言より)